ポタリーペインティングについて
近年密かなブームとなっているのが、アメリカで生まれた新しいタイプの陶器絵付け【ポタリーペインティング】。
白雲陶器を焼き締めた素地(ビスク)の上に、陶器専用絵の具で色絵付けを施し、専用の釉薬(グレーズ)を塗布。
締め焼きより低い 1,000℃ 前後で焼いて仕上げれば、本格的な絵皿やオリジナル食器が創れます。
白雲陶器(ハクウントウキ)とはどんな焼き物?
白雲陶器のご説明の前に、まず石灰質陶器について簡単に触れます。
石灰質陶器とは、素地に石灰石や白亜など石灰質原料を多く含んだ粘土で焼き上げたもので、色が白く軽いのが特徴です。
ヨーロッパなどで盛んに輸出品として、花瓶やお皿などの装飾品が製造されました。
代表的なものに、ペルシャ陶器、マジョリカ陶器が挙げられます。

ペルシャ陶器

マジョルカ陶器
そして、日本でも昭和8年に新たな石灰質陶器が誕生しました。
従来の石灰質に白雲石を混ぜ合わせた陶土を使用した焼き物、それが【白雲陶器】です。
白雲陶器が盛んに生産されている、愛知県瀬戸市。
白雲陶器は、焼成温度約1100℃ほどの温度で焼き上げた【軽質陶器】のため、通常の陶器よりも軽く、鮮やかな色が出せるのが特徴です。
ノベルティ(陶磁器製置物)用に開発された素地で、マグネシウム、カルシウムが多く含まれる、【白雲石】は密度が低く、またとても白くて軽いため、主に陶製人形の置物の原材料として大変重宝されました。
ノベルティとは、瀬戸では焼き物で創られた創造的なオブジェや飾りもの、二次元の平面デザインを三次元の立体に造型したもの、そして人形のことをいいます。

写真上:昭和に輸出されていた白雲陶器の人形。
細部までデリケートなまでに繊細な装飾が施されています。
陶製人形の世界最大の生産国はドイツでしたが、第一次世界大戦後、その輸出は途絶え、代わりに愛知県瀬戸市の陶製人形が輸出を多く占めました。
しかし、1980年代後半からは、円高の影響により中国や東南アジアへ生産地がシフト。
現在では、白雲陶器を生産している日本の窯元は数少なくなっております。